雨の車道に鶏

積雲

2024年06月10日 08:00



 梅雨入り前の読谷。

 雨に濡れた車道を、若冲の群
 鶏画に描かれていそうな鶏が
 歩いていた。






 カメラを向けると、すたこらさっさ
 と逃げる。
 





 センダングサの咲く道端に
 何か見つけたようだ。






 弱い風が少し吹く。白い不毛が
 広がった。
 





 いきなりそっけなく向きを変え
 尻を向けた。


 その後姿にシャッターを押す。

 後でパソコンの画面で見て気
 に入った一枚になった。
 削除せずに良かった。






 茂みの中へ逃げて行く。






 いいアクセントがあった。


   鶏のくぐりゆけば
     野あさがお
       





 上から対角線の構図で。

 紅いトサカに白と黒の羽毛。
 コントラストが美しい。






 逃げるばかりの相手。

 刺激しないように近くから、
 思う構図で撮るのは難しい。 

 というかイメージが作れない。
 
















 茂みを抜け出すと、道路の向
 かいの建設資材置き場へ一
 目散に走り去った。

 資材置き場の鶏小屋から一
 羽抜けだしてきたようだった。


 雨のこの日の天からの贈り
 物。思いがけない遭遇は
 15分ほどで終わる。

 
 この鶏の名が知りたくなり、
 WEBサイトで似た白黒の羽
 毛の写真を探した。

 沖縄県のチャーンと呼ばれる
 鶏に似ていた。
 
 ・・・が、そうかは分からない。
 まちがっている知れない。
  
 なお、チャーンは沖縄県の地
 鶏で県の天然記念物に指定
 されているという。

 また、うるま市では「市の鳥」に
 選定されているそうだ。
 

 
 【余談】

 カメラを購入した頃、やんばるの
 集落を歩きながらイメージしてい
 た絵がある。
 
 民家の庭などの竹藪や芭蕉の木
 陰で、放し飼いされた鶏が遊んで
 いるのどかな光景がそのイメージ。

 水墨画や日本画にはありそうな
 風景。

 ・・ふと思い出し、久しぶりに
 『田中一村作品集』をめくると、
 とても小さく鶏が描かれたイメー
 ジに近い絵があった。


  草萌や鶏も兎も放し飼い
       (山田貴舟)



 子供の頃、島では母が庭に一羽
 の鶏を放し飼いしていた。
 叢の卵探しをした昔をなつかしく
 思い出す。


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