残波の波(22)

積雲

2022年05月02日 21:00




 残波岬。灯台のすぐ東側のわん曲した岩場。去る2月撮影。
 波はそれほど高くはなかったが、時折り北西からの強い風
 が吹いていた。













 空の天気はいい。虹が立つ。

 飛沫を浴びないで撮れたが、崖近くに立った姿勢でないと
 構図が作れないので足元はひやひや。  






 








      
     海を見ればなんであんなに心が静まるのか?
     今日の海は特に荒れているのに、その波のほ   
     てりのごとき腥(なまぐ)さい力に言葉を失って
     いた私の精神はつよく反応するのだ。

     私が島に生まれ、海に囲まれて生きている限り
     この関係は精神の生理の深いところで結ばれて 
     いるはずだ。
       
     ・・・・・・・・


     街で関係にいたみ関係を見失うとき、私は海に
     出かける。けれども言葉という言葉はと切れて、
     波のうねりを見ているとき、私はきっとこの島の
     古え人と何ものかを共有しているのだ。 
         
               清田政信『渚に立つ』より
 
















      春濤をのぞく絶壁に誘はれ  (秋本不死男)
  


 残波岬で詠んだのかとも思われる句に出合った。
 













 断崖反対側から灯台を見上げる。
 ここからは反対側の断崖を打つ荒波は嘘のようだった。
 雲の流れが早く形もすぐに崩れシャッターチャンスが逃げる。 



関連記事