残波岬の波(29)
読谷村残波岬。1月上旬。
灯台西側の岩場。
人影が見えた。
機材のようなものが傍らに・・・。
本格的な海の撮影にきた人か、
と思った。
・・・が、よく見ると釣り人だった。
海は荒れていた。風速6~7m。
風向は北~北北東。
しゃがみこみ、弁当を食べ終
えるとすぐに引き上げて行った。
あら海や
とりとめかたき
寒さ哉
(子規)
潮が満ちてくる。
次々と波が砕け高く舞い上が
るようになった。
枯草の窪みにツワブキの花
の群れ。花は潮風に痛んで
いた。
岬の断崖の東端。
何度も通うとワンパターンの
構図やフレーミングになる。
わかっているが、気持ちは
いつも新鮮。その時々の高
ぶりがあり幸福感がある。
ときどき強風に乗って飛沫が
断崖の上まで飛んでくる。
ほとんど変わらぬ同じ絵しか
撮れない場所だが、岬の東端
で最も好きなポイント。
この日は、これまでと違う絵
が撮れた。
この日の天からの贈り物。
ふと見上げると、先ほどまで
撮っていた岩礁に押し寄せる
波のうねりが見えた。
工夫すれば絵がつくれそう
だった。
この構図では初めて撮った絵。
上の3枚を撮った断崖下で、
海が穏やかな日の光景。
(参考に掲載)
バスを改造した移動店舗(金城
パーラー)でホットドッグを注文。
店の窓に泰期像が見えた。
雨つぶに濡れた車のフロント
ガラス。
海風に吹かれた身体が冷え
てきた。鼻がぐずつく。
この頃ふと思う。
あの頃、もしもカメラがあった
なら『奥のほそ道』の芭蕉は
どんな荒海の絵を撮っただ
ろうかと・・・・。
冬の海
芭蕉こっそり
カメラ向け
関連記事