雨の日~沖縄市(その1)
梅雨はまだ続きそうだ。
雨の日々も好きなモチーフを見つければ外に出ることが楽
しみになる。
雨宿り。
コザ・ミュウジックタウン。雨の日は赤い壁がとても印象的だ。
ゲート通りの路上駐車場のメーター計に「中止」の貼紙が
された。雨の日の撮影が容易になった。
この壁に大坂から訪れたという方がカメラを向けていた。
最近、中央区界隈を散策しながらスナップを撮っている観
光客を見かける。
道路脇の花壇に花を終えた百合。
壁の紅い唇と百合の花の組合わせで絵が撮れる。来年の
春の楽しみができた。
ゲート通りは、同じ場所からでも、ちょっと角度を変えただ
けでちがう風景になる。
花の描かれた大きな看板が気にいっている。
店頭前の街路樹は伐採をのがれた数少ないひとつ。
後方の「PEPSI」の青いベンチを撮っていたら、黒傘の子が
やってきた。傘になにやらキャラクターを描いた色。
日々草ちらりと見やり傘の人
ピント合わせはMFだったりAFにしたり。
雨の状況次第だが去年の故障以来ずっとカメラは不具合
が続いている。
雨の日が好き
傘で顔が隠れるから
誰にも見られずに
誰にも知られずに
この町を歩けるから
詩:牧瀬 茜
詩集『うみにかえりたい』
所収の「顔」より
いきなりどしゃ降り。あわてて駆ける。
雨の中でずっと坐っていた。
銀天街。
突然、角から傘の人影が現われあわててシャッターを切る。
下校中の子ら。
雨の中を立ち止まりかたまってごそごそしたり、喧嘩のように
つかみあったりとなかなか前へ進まない。
工事の壁を覆うブルーシートの前を白シャツに黒傘の男性
が横切っているのが見えた。
カメラの用意が間に合わず過ぎ去られてしまった。
図書館の駐車場。
図書館から借りる本は10冊(借用限度数)。ほとんど読み
きれずに2週間の期限がきて返却。
「借用予定を調べてみます」と職員は言い更新を繰り返し
てしてくれる。
『宮良長包』(三木 健 著)も更新。
来る6月29日は長包の忌日。墓は八重瀬町具志頭の沖縄
カトリック教会の敷地内(教会の裏)にある。
また、具志頭には長包の作曲した汗水節(作詞は仲本稔)
の歌碑もある。
仲本稔は元具志頭郵便局長。次の句がある。
かたつむりついに上がるや竿の先
梅雨の日の蝸牛を詠んだ句と思っていたが、貯蓄奨励を
した句で郵便局内の壁に大書されていたという。
夜明け方。水溜まりに映った灯。
一滴の水だったものは海に注ぐ。
一握の塵だったものは土にかえる。
この世に来てまた立ち去るお前の姿は
一匹の蠅ーー風とともに来て風とともに去る。
この幻の影が何であるかと言ったっても、
真相をそう簡単にはつくされぬ。
水面に現われた泡沫のような形相は、
やがてまた水底へ行方も知れず没する。
『ルバイヤート』より(7,8)
関連記事