夕暮れの漁港で

積雲

2020年06月01日 09:21

 外出自粛の続く頃に行った夕暮の漁港。






 夕日にかすかに染まっている、護岸の砂だまりに
 伸びたシバ草に惹かれた。「つり禁止」の白と赤の
 文字がそこにあるのもいい。



 場所は泡瀬漁港。以前は漁網干し場だっただろう
 と思われる寂れた一角。風雨に色あせた、今は用
 済みになった立入り禁止の札がぶら下がっていた。


 





 夕暮の風景には抒情がある。







 同じ場所。



 県内の漁港には、放置された漁網や長年陸揚
 されたままの漁船や廃船が目立ち、漁業の衰退
 を感じさせる。

 それがフォト・ジェニックなので、いろいろ考えす
 ぎると気持ちは複雑になる。






 次第に消滅していく一片の雲を染め、夕日が街の
 彼方に沈むと、彼方の西空が茜色になった。



 まわりを見渡すと散策にきた人影が増えていた。

 向かいの突堤から大きな音楽がまた聞えてくる。
 若者数名が家籠もりの憂さ晴らしに来ているようだ。
 近くで護岸の端に座って夕空を眺めていた年配の
 男性が、「禁止されているのだが・・・」と静かな声で
 ぼそっと話した。



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