コザ十字路の壁画前。1週間ほど前、近くを車で通りか
かったら街路樹のイッペィーの花が金色に輝いていた。
大きな壁画を背景にしたイッペィーの花は他では見られ
ない。どうしても撮っておきたくなった。
花が散れば来年まで待つことになる。
横道に車を乗り入れると、幸い大きな空き地があった。
近くに住む方に訪ねると、「普段は車が止まっているが
今日は日曜日だから無いよ。短い時間なら停めていい
んじゃないの」という。良かった。
花は満開。
この壁画は、国道330号線の拡張工事に伴い、大きく建
物の壁が露出したことで、損なわれた景観をよくしようと
描かれもので、2014年3月に制作が始まり翌2015年
1月に完成。
面積1600㎡の大壁画。名称は「コザ十字路歴史絵巻」。
絵巻は70年代までが描かれているという。
このことは、「コザ十字路歴史絵巻・解体新書」(沖縄市
商工振興課)という小冊子で知った。
イッペィーの花が咲く背後の絵巻部分は1945年~50
年代の一部。
花の陰を、訳ありそうな旅の人影が下っていく。
パイプを加えたサングラスの軍人は、おそらく連合軍総
司令官ダグラス・マッカーサー。
1945年8月30日厚木飛行場に到着。軍用輸送機から
タラップを降りる姿の写真がよく知られている。
身にしむや島は今だに植民地 (清河一露)
まもなく戦禍の惨劇から立ち上がり
傷だらけの肉体を引きずって
どうやら沖縄が生きのびたところは
浮沈空母沖縄だ
(山之口貘 「不沈空母沖縄」より)
【補追】
沖縄市パークアヴェニユーや裏のイッペィー通りは、
ちょうど今、イッペィーの花が満開。特に雨後
の朝、朝日を浴びて金色に輝く華やかな光景は美しい。
イッペィー通りのイッペィーは、一昨年にも撮った(→
「イッペーの花」2020/03/16)。
今年はどう撮ろうかと、同じアングルからの絵は避けた。
一昨年とは反対側の歩道から撮った。来年の分は残し。