花薄の風景(2)
花芒揺れるむかうに海が欲し
(石川文子)
四方が海の沖縄。薄の背景に海を置
いて撮ることは容易だが、
気に入った絵になる風景はそう見つ
からない。撮ったあと削除も少なくな
い。
読谷村。黄昏時の宇座の海辺。
船揚げ場。
陸に揚げられた船の横で揺れつづ
ける花薄。
沖を行く船は北へ花薄
貨物船だろうか。夕焼けで明るくなっ
た水平線上に船影が見えた。
花薄日暮れて波の音ばかり
糸満市喜屋武。
糸満市具志川城跡近くの耕作地。
近寄ってつくづくと眺める。廃物を利
用しよくできていた。
近くに小屋がある。
バナナの葉陰の椅子で昼寝をしてい
た老人に声をかけ、「うんじゅがつくっ
たんですか?」と尋ねた。
「息子が作った」「こういったことが好き
みたい」「(仕事は)船に乗っている」
と、まだ眠たそうに答えた。
糸満市米須。
中城村。浜漁港。
北中城村。熱田漁港。
関連記事