2020年08月28日
福木の実
福木の実が見たくなり西原町の内間卸殿へ寄り道を
した。去った台風8号の激しい大雨で多くの実が落ち
ていた。
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/359_2.jpg)
福木の実叩き落として雷雨去る
雨でじめじめした、福木の大きな幹(推定樹齢200年
余)の周りに落ち散らばった実。東江卸殿(内間卸殿
に二つある卸殿の一つ)前の庭。
福木の花の季節は5~6月頃だが、まだ花が咲いてい
るのかよく見ると散ったばかりと思われる花もあった。
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/357_2.jpg)
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/353.jpg)
内間卸殿敷地には樹齢350年を超す巨木を始め
大小の福木があり、林のような景観を見せている。
福木には雄木と雌木がある。実のなる時期は雌木
の下には熟した実が落ちているので雌雄の区別が
つく。
なお、東江御殿の庭には雌雄が合体した福木があ
るという。
南側にある小さな門から入って直ぐ左側角にあった。
根元は素人にはまるで一本に見える。胸の高さほど
で二つの大きな幹に分かれ、途中2カ所で幹が合体
している大きな福木だった。
どれが雌でどれが雄かは、黄色い実がついていない
ので分からない。
道路側から見て左側の幹の枝にシークワァサーに似
た緑色の丸い実のようなものが見えたが断定はでき
なかった。
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/352.jpg)
茶色のものは黄色い皮が毀れ露わになった福木
の種子。白あるいはうすい緑色は種子の茶の皮
が剥がれた種子。
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/337_1.jpg)
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/339_1.jpg)
種子は一個の実の中に1~4個入っている。
熟しあるいは朽ちた実からは福木特有の匂いが
漂ってくる。悪臭という人もいるが、年老いた脳に
は懐かしい匂い。しばらくはその匂いを風にクンク
ンと嗅ぐ。
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/274_1.jpg)
サガリバナの散った花の傍らまで雨水に運ばれた
福木の実。内間御殿敷地の奥(つまり西側)にある
西江御殿で。
東江御殿前庭のサガリバナが良く知られている内
間御殿のサガリバナ。御殿内に木の数はそう多く
はない。花の季節は6~8月。
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/291.jpg)
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/324_1.jpg)
石垣で囲まれた東江御殿内南側に立つ樹高10m
を越えると思われる福木。推定樹齢は200年弱では
ないかという。
内間御殿の福木の推定樹齢調査については、WEB
サイトに掲載された『沖縄の聖域景観と保全に関する
調査研究』(琉球大学農学部学術報告書 第63号)で
知ることができる。
夕方まで時間がある。
ついでに伊計島まで車を走らせた。
石垣の多い集落のあちらこちらの路地に福木の
実が転がっていた。
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/448_1.jpg)
「この庭の木の実の落つる頃好む」(宮津昭彦)という
句がある。伊計の島で、この句を借りて心の内に詠み
換える。
この島の福木の実落つる頃好む
伊計や平安座の島の、低い石垣に囲まれた福木のあ
る原風景の景観が好きだ。福木の花の散る頃、黄色い
実の落ちる頃が。気が向けば、カメラを持って車ですぐ
に訪ねることができる島。
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/506.jpg)
石垣に落ちその隙間に挟まった実もまた風情に思う。
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/865_1.jpg)
臭い特有の匂いが漂う。踏むとぐにゅっと皮が毀れ
茶色の種子があらわれる。
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/780.jpg)
上を向いていて、落ちたばかりの黄色い実を踏んで
躓きそうになった。その実を道路脇に蹴り飛ばしたが、
うまく飛ばなかった。
蹴り飛ばしたとき、『南島俳句歳時記』で見た句のこ
とがついと浮かんだ。
福木の実固き門扉へ蹴り飛ばす (安島涼人)
何故、門扉へ向けて蹴り飛ばす必要があったのだろ
うかと最初は疑問に思った。今は、遠い幼少の日の
遊びを思い浮かべ詠んだ句ではないかと思う。
福木の実蹴れば島の子が見ており
カメラ旅土産に福木の実二つ
落ちた木の実や海岸の波に洗われた小石には心
を惹かれたまに拾うことがある。
旅に来て拾いて捨てし木の実かな (山本潤子)
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/644_3.jpg)
ツノメガニに会えないかと浜に出て波打ち際を歩
いた。
大きなヤドカリに小さなヤドカリが寄り添っていた。
一度逃げ去った小さなヤドカリがまたやって来た。
大きなやつは臆病で、同じ場所をじっと動かない。
ときどき様子を窺うように、身を出し触角で辺りを探る。
歩き出すかとカメラを向けると殻に引き込もる。
ヤドカリと我慢くらべは負けた。
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/774.jpg)
帰りの浜で子どものツノメガニをやっと見つけた。
見つけられるとカニは直ぐに寄せ来る波の中に走り
逃げた。
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/775.jpg)
しばらく波打ち際を見つめていたが、待てど海の中から
は現われなかった。
![福木の実 福木の実](//img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/722.jpg)
した。去った台風8号の激しい大雨で多くの実が落ち
ていた。
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/359_2.jpg)
福木の実叩き落として雷雨去る
雨でじめじめした、福木の大きな幹(推定樹齢200年
余)の周りに落ち散らばった実。東江卸殿(内間卸殿
に二つある卸殿の一つ)前の庭。
福木の花の季節は5~6月頃だが、まだ花が咲いてい
るのかよく見ると散ったばかりと思われる花もあった。
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/357_2.jpg)
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/353.jpg)
内間卸殿敷地には樹齢350年を超す巨木を始め
大小の福木があり、林のような景観を見せている。
福木には雄木と雌木がある。実のなる時期は雌木
の下には熟した実が落ちているので雌雄の区別が
つく。
なお、東江御殿の庭には雌雄が合体した福木があ
るという。
南側にある小さな門から入って直ぐ左側角にあった。
根元は素人にはまるで一本に見える。胸の高さほど
で二つの大きな幹に分かれ、途中2カ所で幹が合体
している大きな福木だった。
どれが雌でどれが雄かは、黄色い実がついていない
ので分からない。
道路側から見て左側の幹の枝にシークワァサーに似
た緑色の丸い実のようなものが見えたが断定はでき
なかった。
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/352.jpg)
茶色のものは黄色い皮が毀れ露わになった福木
の種子。白あるいはうすい緑色は種子の茶の皮
が剥がれた種子。
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/337_1.jpg)
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/339_1.jpg)
種子は一個の実の中に1~4個入っている。
熟しあるいは朽ちた実からは福木特有の匂いが
漂ってくる。悪臭という人もいるが、年老いた脳に
は懐かしい匂い。しばらくはその匂いを風にクンク
ンと嗅ぐ。
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/274_1.jpg)
サガリバナの散った花の傍らまで雨水に運ばれた
福木の実。内間御殿敷地の奥(つまり西側)にある
西江御殿で。
東江御殿前庭のサガリバナが良く知られている内
間御殿のサガリバナ。御殿内に木の数はそう多く
はない。花の季節は6~8月。
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/291.jpg)
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/324_1.jpg)
石垣で囲まれた東江御殿内南側に立つ樹高10m
を越えると思われる福木。推定樹齢は200年弱では
ないかという。
内間御殿の福木の推定樹齢調査については、WEB
サイトに掲載された『沖縄の聖域景観と保全に関する
調査研究』(琉球大学農学部学術報告書 第63号)で
知ることができる。
夕方まで時間がある。
ついでに伊計島まで車を走らせた。
石垣の多い集落のあちらこちらの路地に福木の
実が転がっていた。
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/448_1.jpg)
「この庭の木の実の落つる頃好む」(宮津昭彦)という
句がある。伊計の島で、この句を借りて心の内に詠み
換える。
この島の福木の実落つる頃好む
伊計や平安座の島の、低い石垣に囲まれた福木のあ
る原風景の景観が好きだ。福木の花の散る頃、黄色い
実の落ちる頃が。気が向けば、カメラを持って車ですぐ
に訪ねることができる島。
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/506.jpg)
石垣に落ちその隙間に挟まった実もまた風情に思う。
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/865_1.jpg)
臭い特有の匂いが漂う。踏むとぐにゅっと皮が毀れ
茶色の種子があらわれる。
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/780.jpg)
上を向いていて、落ちたばかりの黄色い実を踏んで
躓きそうになった。その実を道路脇に蹴り飛ばしたが、
うまく飛ばなかった。
蹴り飛ばしたとき、『南島俳句歳時記』で見た句のこ
とがついと浮かんだ。
福木の実固き門扉へ蹴り飛ばす (安島涼人)
何故、門扉へ向けて蹴り飛ばす必要があったのだろ
うかと最初は疑問に思った。今は、遠い幼少の日の
遊びを思い浮かべ詠んだ句ではないかと思う。
福木の実蹴れば島の子が見ており
カメラ旅土産に福木の実二つ
落ちた木の実や海岸の波に洗われた小石には心
を惹かれたまに拾うことがある。
旅に来て拾いて捨てし木の実かな (山本潤子)
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/644_3.jpg)
ツノメガニに会えないかと浜に出て波打ち際を歩
いた。
大きなヤドカリに小さなヤドカリが寄り添っていた。
一度逃げ去った小さなヤドカリがまたやって来た。
大きなやつは臆病で、同じ場所をじっと動かない。
ときどき様子を窺うように、身を出し触角で辺りを探る。
歩き出すかとカメラを向けると殻に引き込もる。
ヤドカリと我慢くらべは負けた。
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/774.jpg)
帰りの浜で子どものツノメガニをやっと見つけた。
見つけられるとカニは直ぐに寄せ来る波の中に走り
逃げた。
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/775.jpg)
しばらく波打ち際を見つめていたが、待てど海の中から
は現われなかった。
![福木の実 福木の実](http://img01.ti-da.net/usr/s/e/k/sekiun2019/722.jpg)
Posted by 積雲 at 23:00│Comments(0)
│草・木・花