カメラと沖縄を歩く

　秋を感じたのは９月の空の雲か
　ら。それから公園の池の面を風
　に飛ぶトンボを見つけたとき。

　９月中旬頃からは自宅近くの道
　端でも花薄が増えた。


　朝晩はひんやりする日々。
　「立冬」は過ぎたが沖縄の冬入
　りはまだ先。

　野山や岬は花薄に埋もれ一面
　晩秋の景色になっている。　

　カメラを向ける被写体に花薄が
　多くなった。

　




　残波岬。


　秋を撮ろうと残波岬へ行った。
　
　波は穏やか。眺めるだけ。
　撮ることが多くなったのは雲や
　花薄。






　歩きながら空を仰ぎ雲の形を
　眺める。
　
　いい花薄があれば雲を背景
　に撮る。これを繰り返す。　
　
　雲の形はいろいろ変化する。
　飽きることはない。

　蝶にもカメラを向けるが蝶と
　違い逃げない花薄に心は戻
　る。






　夕暮れ近く。遠くに雲の峰。
　山脈に見立て構図を組み、
　白飛びしないよう露出を落
　とした。
　


　　帰るさに今一度の芒原
　　　　　　　　　（髙澤良一）　


　期待した夕焼けの峰には
　ならなかった。






　うるま市平安名島の漁港。

　思わしくない天候の日だった。
　帰り際、北東の空が明るくなり
　放射状の雲が現れた。

　思わぬ天からの贈り物。



　低く低くシャッターチャンス芒の空
　　　　　　　　　　　　　　（倉本マキ）　　　　　　　　　　　　　　　　　







　構内には廃船が多い。
　周りは芒や雑草が茂っている。
　　





　浦添市。西洲卸商業地区。


　カメラを始めたころ護岸壁画を
　撮りによく訪れた。

　小雨のパラつく日、那覇からの
　帰り久しぶりに寄ってみた。


　護岸沿いは緑地帯がなくなり
　細長い駐車場になっている。

　外れにわずかに緑地が残され
　た箇所がある。
　小雨に濡れて色濃くなった花薄
　が茂っていた。　

　背後は産業廃棄物の集積場。
　
　錆びたコンテナの色は雨に濡
　れて濃くなっている。






　ダンプカーが頻繁にやってくる。

　護岸の上から見ているので、
　遠くから近寄って来るのがわかる。
　シャッターチャンスの予想を立て
　ることができストレスがない。































　薄の茂る緑地の端。引き返そう
　と思った矢先にオートバイがや
　ってきた。

　地味な端っこの花薄に、いい組
　み合わせができた。
　これは気にいっている一枚。
　
　みちくさをして本当に良かった。






　うるま市照間漁港。

　広い漁港だが、停泊している漁
　船は少ない静かな漁港。東側に
　薄の原がある。


　秋風のなすがままなる尾花かな
　　　　　　　　　　　　　　（原月船）　






　漁港東側の護岸から。
　背後は金武湾。
　










　これは薄ではないが・・・。
　惹かれて撮る。






　うるま市平敷屋漁港。

　花薄をシルエットに夕焼けを組み
　合わせた景色を撮りたい場合に
　思い浮かぶ場所の一つ。

　この日、１～２分ほどだったが、
　激しく流れる雲が夕焼けに染ま
　った。
　
　街の人工物が入らないように護
　岸の海側の下方から空を仰い
　で撮る。






　中城村の久場。

　この雲のかたちはとりわけ気に
　いっている。　






　薄と思っていたがキビの花穂の
　ようだ。


　咲き初めて花ぬらさきに甘蔗の花
　　　　　　　　　　　　　　（瀬底月城）











　立ったままあるいは中腰になった
　りとアングルを変え何枚か撮った
　が、どうもイメージに合わない。

　思い切り仰向けに寝転んで見上
　げた。それがよかった。


　起きあがるときふと横を見ると、
　低いブロック塀の上から猫が見
　ていた。

　近くの鉄筋作業場周辺に居つい
　ている猫。カメラを向けると塀を
　飛びおり逃げ去った。

　寝転んだあたりを見ると、近くに
　糞があった。
　





　中城村。当間か屋宜の海岸。
　





　
　帰路で見た一本のモクマオウ。

　夕焼けは失せつつあった。急い
　で露出を変えながらなんとか撮
　れた。



　


　読谷村渡具知海浜墓地前の小
　さな岩の丘から。


　渡具知には、途中岩場を挟み
　比謝川河口から米軍トリイ基地
　の方まで断続して美しい砂浜が
　ある。

　なお、トリイ基地前の浜でカメラ
　を持って長くうろうろしていると、
　基地のＭＰに疑われることがあ
　るので要注意。