2019年12月28日
残波岬の波(17)
12月上旬の残波岬。陸を吹く風はそう強いように
はないが、海は荒れていた。少し肌寒い。
逆巻く姿を撮るには海際まで岩場を降り、低い
アングルから狙う。
風向きが悪いと、始終、波飛沫に悩まされるか
波をもろに被る。
真横辺りから撮りたかったが、波飛沫が飛んで
くる。やや斜め位置の岩陰に場所をとり、じっと
待つ。待てどもイメージの波はなかなか現れな
い。
珊瑚石灰岩のごちごちの岩場の座りごこちも
気になってくる。
波の牙。
小規模だがイメージに近い波が現われた。
波が次第に荒くなった。この日の大花火。
砕け、砕けよ、砕け散れ
おまえの冷たい灰色の岩に、おお大海よ!
願わくば、わが胸に起こる想いのかずかずを
口で言い表すことができるものから
・・・・・・
砕け、砕けよ、砕け散れ
おまえの岩山の足もとに、おお海よ
だが、過ぎ去った日の、あの優しい恩寵は
二度と決してこの身に戻ることはないだろう。
テニスン詩「砕け、砕けよ、砕け散れ」
(西前美己編『テニスン詩集』(岩波文庫)
より
テニスン(1809~1892)は、英国ヴィクトリア朝
を代表する詩人のひとり。
灯台の岩根を襲う寒怒濤 (渡真利春佳)
『句集 ひなたぼこ』所収の句。同句集に次の句も
掲載されている。
煩悩をまだ捨て切れず年の暮れ