2022年05月23日
テンニンカ(天人花)の花
テンニンカ((天人花)の花。
開花時期は5~6月で今が見頃。
テンニンカ。沖縄の歳時記にも載っている花だが、どこへ
行けばその花にあえるのだろうか。去年今年と探し歩いた。
去年、沖縄市にある倉敷ダムで初めて見たとき花の名を
知らなかった。図鑑を調べたら、その花が探していた花・
テンニンカだった。嬉しかった。
場所は、倉敷ダムの「山原の森」と名称のついた場所の
遊歩道沿い。近くにイジュの花の木と「つり禁止」の看板
がある。
樹高120センチメートル、花は直径3セくらいくらい
だった。葉は今年は虫に食われて黄いばみが目立つ。
倉敷ダムで見たテンニンカは全部で2本。
もう1本は北側のかなり離れた場所。遊歩道沿いでまだ蕾
だった。
ダム敷地内や周辺の山にはイジュの花も多く咲いている。
ノボタンは群生している場所がある。花はまだ。
うるま市石川の山城。
最近アガパンサスの花が新聞(沖縄タイムス、5月14日)
に掲載された沖縄紅茶農園。
農園後方の住宅へ向かう道路沿いに百合やアガパンサス
の間に1本のテンニンカが花を咲かせている。
農園は、山城の集落から畑野を2.5キロほど行った先に
ある。
迷うのは2キロ先ほどで道が二つに分かれている(正面に
鉄塔とコンクリートの小さな廃屋が見える)場所。ここは左手
の道を進む。そのまま500メートル行くと農園がある。
アガパンサスの花と道路側に立つユニークな案山子。
農園の建物の屋根の陰や赤いペンキの壁を背景に一部分
だけを絵画ふうに切取った。
金武町。高速道路の見える山際の農道沿いに5~6本点在
していた。
テンニンカが生育しているのは日本では沖縄だけのようで、
国頭マージや島尻マージ地帯に生育しているという。しかし
見つけるのは難しい。
「昔は、テンニンカの花は山にたくさん咲いていた」と、金武
町からアガパンサスの花を見にきていた方が言う。
「戦前は小学校の帰りに丘の上で(天人花の実を)よく食べ
たものである」と、瀬底月城氏は著書の『南島俳句歳時記』
で述懐している。
瀬底氏は旧佐敷町出身。そして佐敷町の町花はテンニンカ。
佐敷へ行けばテンニンカの花が見られるだろうと思ったがそ
うでなかった。
最近知ったが、津波古公園の腰当森(クサティムイ)(「鎮守
の森」とも呼んでいるそうである)にはテンニンカが植栽され
ているそうだ。花が咲いているかも知れない。
昔は山野に多く自生していたと語られるテンニンカ。個体数
が相当減少しているのだろう。
農道沿いに昔のなごりをとどめる数本のテンニンカ。
天人花雨のつぎ目に辨こぼす (瀬底月城)
梅雨の雨が数日続いた花。花弁がすっかり散っている。
方言名はイェンチューヌミミ(鼠の耳)。葉の形がネズミの耳
に似ていることによる。
ピンクの花は色があせやがて白くなる。
ある個人の農園(?)で。
高さは2メートルほど。4本のテンニンカ、そのどれも上から
下まで花がびっしり咲いていた。
実のことを訊ねたら、実は7月~8月頃につくという。その頃に
来たらいいよと話してくれた。
テンニンカの実は径2センチくらい。濃紫色に熟し食べられる
そうだ。
ギーマの木もあるよという。
テンニンカ、ギーマ、イチュビ(桑)の実と、ほんとにどれもひと
昔前の話しになった。年をとったものだ。
天人花咲きこぼるるや夕雲に (田場久美子)
Posted by 積雲 at 21:00│Comments(0)
│草・木・花